質感に関する詳しい解説 |
質感は、模様と違ってあまり差がないように見えます。だからこそ、それぞれの特性をよく理解して使い分けましょう。
質感とはいっても、表現できることは非常に限られています。毛皮のような質感もできませんし、流れる水なども全然無理です。ではいったい何ができるのかといえば、基本的にはつるつるかザラザラかを設定できるだけなのです。
最もつるつる | 「つるピカ」 |
少しつるつる | 「つるつる」 |
少しザラザラ | 「普通」 |
最もザラザラ | 「ザラザラ」 |
この4つの質感が基本です。つるつる感が強いほど、ハイライトが小さく、強く光ります。逆にザラザラだと、広い範囲がぼんやりと光ります。また、「つるつる」と「つるピカ」は、映り込みもします。もちろん、「つるピカ」の方が映り込みも強くなっています。
質感の要素として、つるつる、ざらざら以外にもう一つ透明度があります。
半透明にすると、向こう側が透けて見えるようになります。ただ、現実の物体の場合、半透明の物体には屈折という現象が起こりますが、L2ではそこまでシミュレートしていません。単純に向こう側が見えるだけです。
とはいっても、簡略された半透明でも、計算はかなりたいへんで、半透明をたくさん使うと作画に時間がかかります(画面内を半透明の物体が占める面積に比例する)。ご注意ください。
この透明度が入った質感には、「ガラス」や「曇りガラス」があります。「ガラス」の方がより透明でつるつる、「曇りガラス」は透明度が低くてザラザラになっています。
それでは、透明度が高くてザラザラとか、透明度が低くてつるつるといった組み合わせもあるはずです。しかし現実的には、表面はザラザラ、つまり乱反射しているのに、透明度は高いなんて矛盾した物質は存在しないので削除しました。
でも考えてみると、透明度が低くてつるつるという物体は十分あり得ますねぇ。
いわゆる質感とはだいぶ違ってくるのですが、質感には発光という要素もあります。発光といっても、光源のように本当に光を発しているわけではありません。
通常の物体の場合、光を当てると、その面の角度に応じた陰影がつきます。光を真正面に受ける面は明るくなり、そうでない面は暗くなります。
それに対して、「発光体」は光の当たり方に関係なく、均一に明るくなります。すると、陰影が無くなり、まったく凹凸感が出ません。また、光源が存在しない真っ暗な環境でも、その面は明るいので、結果的に光っているように見えます。これが発光体と呼ばれる理由です。
この「発光体」には、基本的に陰影がつかないのですから、つるつるとかザラザラとかいっても仕方がありません。ただ、「発光体」で半透明というのはあります。それが「影」です。
「発光体」は、バイクのテールランプや溶岩といった文字どおり光っているものに使えます。また、「影」は凹凸感がなく半透明であるということで、他の物体の影を表現することも可能です。つまり、この「発光体」と「影」は、基本的に特殊効果用の質感と考えてください。
最後に「有色金属」ですが、これはあまり使うことはないでしょう。「つるつる」とほとんど同じと思っていただいて結構です。
色のついた金属とは、つまり金や銅を意味します。これらの金属には、他の物質にはない特徴があるのです。
通常の物質の場合、例え表面が赤くても青くても、白い光を当てると、ハイライトは白、つまり光源の色になります。しかし、有色金属はハイライトが物体色になります。金は金色に輝くわけです。
ですから、質感を「有色金属」に設定すると、ハイライトに若干色が付きます。ただそれだけです。まぁ、金の延べ板か、銅版をあえて表現したいというときには、思い出して使ってください。