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<> 映り込みに関する詳しい解説 <>

質感のつるつる感を表現する最も重要な要素である映り込みは、作画を高速化 するため、かなり計算を省略しています。そのため、現実には起こり得ないよ うな現象が発生します。


<> 映り込みのアルゴリズム

 まず物体やカメラを配置している空間全体を、背景球という無限に大きい球 で包み込みます。そして、その背景球に背景画像を張り付けます。 次に、カ メラの位置、物体の面の位置、面の角度から、鏡面反射の方向を計算します。 そして、その方向には、背景球の画像のどの部分が見えるかを調べます。 こ の画像が映り込む画像になるわけです。

 つまり、映り込む対象は背景画像だけで、まわりに他の物体があってもまっ たく考慮されません。例えば、家を作り、その部屋の中に「つるピカ」の球を 置くと、部屋の中からは外の背景などまったく見えなくても、球には背景が映 り込んでしまいます。


<> 映り込みの色

 模様に関する詳しい解説の中の「色と模様の矛盾」とよく似た現象が映り込 みでも発生します。例えば、赤い物体に青空が映り込むと、どんな色として表 示されるでしょうか? 答は紫です。これは、「色と模様の矛盾」の解説とは 異なる結果です。

 映り込みの場合は、物体表面の色に映り込みの画像の色が加算されます。赤 いポリゴンのRGB値はR成分があり、青空にはB成分があるため、その両成 分が加わってRとB成分のある紫になるわけです。 そいうことで、映り込み によって物体の色は、明るくなることはあっても、暗くなることはありません (模様とはまったく逆)。

 そこで、注意が必要になってくるのが白い物体です。白という色は、もうこ れ以上明るくなりようがありません。ですから、白い物体を「つるピカ」にし ても、映り込みの影響はあまり出ないのです(白い物体でも、陰影がついて暗 くなっている部分には映り込みが出る)。 映り込みを強調したいときは、色 は「灰色」、模様は「なし」にするべきでしょう。

 また、せっかく「つるピカ」にしていても、背景を「なし」や「宇宙空間」 に設定すると、映り込む画像が真っ暗で、結果的に映り込みがほとんどないの と同じになってしまいます。


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