ここまで3DCGにおけるライティングを主に解説してきたが
ここでは、それらを踏まえた上で、DoGAのL-3でのライティングを解説していく。
1) 光源の種類
L-3には、以下の3つがある。
1)平行光源
2)点光源
3)スポット光源
他にもソフトによっては以下のものがある。
線光源(ラインライト)
面光源(エリアライト)
この2つは点光源を
線状、または面状に並べたもの。
光源の説明
1)平行光源
太陽光をイメージして作られた光源。
Lシリーズのデフォルト光源。
・向いている方向に平行な光線を投げかける。
・光源に大きさの概念がない。その空間の物体全てを照らす。
・距離が遠くなっても、明るさは変わらない。
・光源と、影を落とす物体との距離に関係なく、影の大きさは一定。
・用途:屋外・太陽の入る屋内
2)点光源
白熱球のイメージ。
・360度、全ての方向に光を投げかける。
・光源の大きさは可変である。
・光源が大きいほど、遠くまで届く。
・光源に近いほど、影を落とす物体の影は、大きくなる。
・用途:夜の屋内 街灯 焚き火
3)スポット光源
舞台のスポットライトのイメージ。
点光源の一部分だけ取り出した光源。
・向いている方向に、円錐状に広がる光を投げかける。
・光源の大きさは可変である。
・光源が大きいほど、遠くまで届く。
・光源に近いほど、影を落とす物体の影は、大きくなる。
・用途:舞台照明 街灯 心理的孤独感の表現
2) パレット設定(質感設定 )
3DCGの場合、質感のパラメータとライトは密接な関係がある。
ここではパレット設定>質感タブ>自由設定について述べる。
デフォルトは質感サンプル「普通」である。
■パラメータの意味■
@環境光 自己発光度(ルミノシティ)。 これを上げれば、物体についている陰影が減る。 デフォルトは20。 |
H隠し機能:追加質感設定 ここをWクリックするとが現れる。 |
A直接光 拡散光(ディフューズ)。 これを上げれば、光源色を多く受けるようになる。
Aaグラフ
|
Ha屈折率
レイトレーシングによる屈折をシミュレートできる。 デフォルトは無。(1.000) ・材質による屈折率
|
B光沢 スペキュラー。 物体表面に当たった光源自身が強く反射している部分。
Ba模式図
|
Hbレイトレレベル
rendoptのレイトレーシングにある計算回数と同じモノ。 ただし、どちらか低い方に合わされる。 よって、rendoptで高い値にしておいて、こちらで下げると言う調整が出来る。 |
C広がり
光沢の広さ。 これを上げれば、表面に出来る反射光が広くなる。
|
Hcデカール
”デカールモードを有効にする”チェックボックスをチェックすると 使えるようになる。 貼り付ける距離を変えることが出来る。デフォルトは0。 |
D色相 これを上げると、物体表面上の光源色を物体色に寄せることが出来る。 デフォルトは0。 |
・デカールモードとは
このパレット情報を持った物体を、そのまま別の物体上に貼り付けられる。 テクスチャとの違い
・パレット情報も貼り付けるので、元の物体の上に違うパレットを貼り付けることが出来る。 ・距離によって貼り付けるので、その距離以下のものには、裏も表も全て貼られてしまう。 |
E写り込み 物体表面に背景のみ、映り込ませる。 光沢と合わせて使うと、車の表面などの質感を表現しやすい。
ただし、これは背景のみを擬似的に写り込ませるものなので、他の物体は写り込まない。
|
Iプレビュー
基本的なレンダリングイメージをリアルタイムで表示する。 凸凹・輝き・影関係は表示されないので、作画ボタンを押して確認。 Ia表示パーツ
デフォルトは球。
|
F透明度 透過(トランスペアレンシィ)。 これを上げれば、後ろの物体が透けて見えるようになる。 デフォルトは0。 |
Jパレット参照
現在の物体に使われている、全てのパレットが表示されており クリックすると、タブごとに今のパレットにコピーできる。 |
Ga他の物体に影を落とす そのまんまの意味。 Gb他の物体から影を受ける
これもそのまんまの意味。 Gc自身に影を落とす
これは角張ったメカなどにはとても有効だが
|
K作画
静止画をレンダリングする。 ショートカットはF5・F9。 bmpで保存も出来る。 なお、レンダリングするべき物体がない場合は無効。 また、デカールモード設定されたパレットは作画されない。 |
●自身に影を落とす(セルフシャドウ)をキャラなどに
使ってはいけない理由
・影ポリゴンの場合:中間調が出ないので、面ごとの角張った影が落ちることになる。これはLWの場合でも同じ現象が起こる。
・レイトレースシャドウの場合:
レンダリングエンジンの構造上、両面可視で丸みを帯びた物体には、縞模様が発生する。
3) 2灯照明
3DCGの場合、光源を増やすことによってレンダリング時間が延びるので
キーとバックのみを使った、2灯照明をお勧めする。
方法
・フィルライトを削除。
・被写体のパレット設定を変更する。
質感タブ>自由設定で環境光に+15以上する。
質感サンプル「普通」の場合、デフォルトが20だが
これはそもそも暗すぎる。
図を見比べて欲しい。ほとんど差はないはずだ。
3灯照明
2灯照明
・アニメ調の場合、影色を明るめに変える方法もある。
4) rendopt(レンドオプト)について
rendoptは、作画設定を拡張したソフトであり、高度なレンダリング結果を得るための
作画詳細設定ソフトである。
L-3をインストールしていれば、同梱されている。
場所は
C:\Program Files\DOGACGA\dogal3\rendopt.exe
もしくは
C:\Program Files\DOGACGA\dogalE3\rendopt.exe
である。
・機能説明へ
5) Tips 多灯照明の表現
トンネル内やダンジョンなどで、灯りがたくさんある通路を
表現したい場合、なんとか光源を減らして、多灯表現をする方法
・光源そのものは、基本的にレンダリングされないので
灯りの物体には、自己発光しているものを使う。
1.カメラを動かさない場合
マジメに多灯を置いて、背景だけを1回レンダリングする。
それを背景球に貼り付け、キャラを載せ、動画としてレンダリング。
2.カメラが動く場合
・10個の光源と10個の灯り物体があるなら、灯り物体はそのまま置いておき、
間の光源を1個ずつ減らし、5個にする。
光源が5個なら2個減らす。地面に落ちる影もこれなら遜色はない。
・平らな壁に灯りがある場合
その壁をライト込みで一つだけ、レンダリング。
それをユーザー模様として、設定した板状パーツ(P103)に貼り
並べる。これが最もレンダリングが早いだろう。