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漠たる不安
私の勤める事務所は、やや大きいマンションの1Fにある。
「行ってきます」
私はちょっとした用のため外に出ると、
目の前はすぐ駐輪場。
特に日差しを遮る物もなく、暑い。
ふと、脇の廊下に目をやると、エンジェルのような
女児がいる。幼児独特のよたよたした足取りで
歩いて来る。ニコニコしている。
と、突然立ち止まり、言った。
「ゴルァ!!」
私の心に突然湧き起こった漠たる不安は、
この晴れ上がった天蓋を覆い尽くすかのように
黒く急速に広がっていった。
「・・・逝ってきます。」
鬱だ氏のう。と言ってみるテスト。
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永らく日記を休んでいたのは、病床にふせっていたからだ。
と書くと、何やら闘病記などという物を連想せざるを得ないが
なに、単なる風邪だ。
だがしかし、なめていると拗らせて、酷くなってしまい、
ついには寝込んでしまった。
独り、真っ暗な六畳一間でただ熱にうなされる。
ここには看病してくれるような親兄弟はいない。
ふいに足元の方にあるドアがガチャリと開いて
明るい日差しと共に、シャンプーの香りも香しく、澄んだ声で
「風邪、大丈夫?おかゆ、炊いたげようか?」
と言いつつ、部屋に何の躊躇いもなく上がって、
俺の額にキスし、熱を計って
「会社、心配で早引けしちゃった。」
などと、照れ笑いするというような天使のような彼女もいない。
そんなものは幻想、いや妄想だ。
うなされつつ、気が付くと病院のベッド。
今までつき合ってきた元彼女たちがずらり、居並ぶ。
皆、悲壮で沈痛の面もちだ。
医者が言う。
「お別れの言葉はありませんか?」
ああ、俺はもうダメなんだな・・・と思う。
でも、それも妄想。
そんなこんなだが、今はもう、すっかり元気なのだった。
風邪ってヤツはほんとにもう。ぷんすか。
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夕方、ぼくは友達と別れ、帰るため電車に乗っていた。
視線をふと窓の外から向かいのドアの手すりに向けると、
メガネの清楚な女性が本を読んでいた。
何を読んでいるのか。
ちらっと絵が見えた。漫画だ。たぶん、「日出処の天子」。
好きだ。
そう思った。
彼女が着いた駅で降りる。ぼくは思わず、あとをつけた・・・わけではなく
たまたま、ここがぼくのマンションの最寄り駅だから、降りた。
彼女は駅前商店街の雑踏をとっとと歩いていく。ぼくはそのへんに適当に
とめていた自転車に乗り、暫くその背中を見ていた。
するとタクシーにクラクションを鳴らされたので、
すごすごと、自分のマンションの方に向かった。
道すがら犯罪者の心境とはこういった気持ちの延長線上にあるの
かもしれない、と思った。
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「わたしのガードは固いよ?」
そんなことを彼女は言った。言わせてしまった。
ぼくの部屋で、ぼくと彼女、2人きりのこの時に。この瞬間に。
彼女はメガネの遠藤久美子。いや、もちろん、似ていると言うだけで
本物ではない。彼女自身の主張で言うならば、天才バカボンの
うなぎ犬なのだが、この隔たりはなんなのかは不明だ。
今の瞬間、彼女はノーガードのように見えた。
しかし実はいつでも強固なガードに入れる自然体・・・
そんな体勢だったのだ。
しまった、早まった。
そう思ったが、もう遅かった。へらへらしながら、なんとか
何気ない会話に戻し、良い頃合いに彼女を見送った。
”メールはありません。”
自動でメールをチェックするメーラーが虚しいメッセージを表示する。
コンピュータの電源を落とし、服もそのままで、ベッドに転がる。
終わった。また、終わってしまった・・・。
この気持ちの延長線上に・・・は前と同じ結びなので止める。
もう、寝る。おやすみ。
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「マップ!マップはないか?!」
この広いフロアで僕は迷った。
この広?い野原一杯、咲く花を?♪いや歌っている場合ではない。
押し寄せる人の波。雑踏。真新しい機械類の匂いと、やたら明るい照明。
それにも増して更に明るいBGM、良く通る女性のアナウンス。
ここは、今日完成したばかりの巨大電気店、いやビルである。
とりあえず、店の奥は見えない。どこまでも続く店内。
そして人、人、人、たまにヒモ。
僕は何故ここにいるのだろう。自問自答。泣く子と地頭には勝てぬ。
仲間とはぐれて、メタルスライムな気分。心細い、ヒモ細い。
などとのたまうも、ああ、もう、人のうねりが僕を押し流そうとする。
流されないぞ、そんな人生はまっぴらだ、こんぴらだ、ふねふねだ、
とかなんとか思いながら、パソコンのCPUが在る場所に来たら、
奴らはいた。仲間と視認できるホモサピエンス共。猿の軍団。
「おう、お疲れ。やっぱもう売り切れてら。」
仲間のひとりが言う。
「じゃあ、次は上のフロアに行くぞ」
にやりと笑いだけを残して、良く訓練された軍隊のようにみんな
人混みの中に消えてしまう。これこそ、アンブッシュと言いた気だ。
もしくは集団チェシャネコなのか。
ぽつねん。この言葉がよく似合うニヒルな男になってしまったら
君はどんな気持ちだい?ジョー。コンドルの、じゃないよ。
こんなに、こんなに人はたくさんいるのに
僕はひとりぽっちだいだらぽっち。
泣く泣く、後を追い60年代安保闘争の様な群衆にハマって行くのだった。
安保バンザーイ!どぼん。
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なぜ、こんな時代なんだろう。
良いひとがいなくなり、悪いことばかり起こる。
単に勝手に関連付けているだけなのかも知れない。
脳というものはそういう仕組みらしいから、しょうがないのかも知れない。
でも、やはり、
なぜ?
と思ってしまう。口に出してさえ、いる。
なぜ?
時代は変わって行く。それは万華鏡の模様のように二度と同じ姿を
見せない。しかし、中に入っているビーズや硝子の欠片は同じ物だ。
戻すことが不可能なら、どんどん回すしかないのか。
この万華鏡を。
でも、
なぜ?
TVに流れる戦争のニュースを見ながらつぶやくのだった。
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171、74。
この数字が示す物。それはぼくの身長、体重。
こうしてみると太っては、なさそうだ。実際、太っているわけではない。
しかし。
腹が。・・・腹が?そう、腹が!!ハラガァァァッ!!ぐふ・・・っ。
そんなドラクエのボスが死亡するほどの腹なわけで、
市民プール週二回作戦、スタート。さっそく定期券購入。
一ヶ月のはずが、妙に期間が長い。なんかお得?
まあ、そんなことはおいといて、すでに実は4回目。
充分ヘトヘト。しかし、これが効いてるのだヨ、諸君。
とりあえず、効果は絶大だゼ。特に腹が!!
ジーパンが履けるようになったもんね♪
深夜通販のアブなんちゃらとかやってる場合ではないゾ。
21世紀は水泳の時代だ!
ハードディスクの21世紀はテラの時代だ!(親友の言葉)
で、昨日。やる気満々、喜び勇んで行ってみたら、
「来年まで改修のため、お休み」
・・・ああ、それで定期の期間が長かったのね。ふ〜ん・・・。
みなさん、ガッテンしましたか?ガッテン、ガッテン。
寒いよ、ママ。
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modoru